

創業250年余年。村上名産の鮭を中心に、村上牛やフグなどの豪華食材を使用した会席料理を味わうことができる、料亭 能登新。個室や廊下から庭に吊るされた塩引き鮭を眺めることができたり、部屋のあちこちに伝統工芸が散りばめられていたりと、味覚のみならず視覚でも村上の文化を感じられます。
この老舗の看板を背負うのが、11代目・山貝誠さん。近年、新潟の新たな高級ブランド食材として注目を集めるのどぐろ「美宝」ですが、山貝さんは2024年のブランド化以前から、その価値に着目し、店で扱ってきました。

その仕入れを支えているのが、美宝を漁獲できる数少ない漁船のひとつ、第二福喜丸の存在です。漁師の小田さんは前日の22時に出港し、粟島沖付近の漁場へ。魚体に傷を付けない伝統的なはえ縄漁で一本ずつ丁寧に釣り上げ、翌朝10時頃に水揚げします。

撮影当日の漁で捕れたのどぐろは1匹。通常400グラム以上が美宝と認定されますが、この日、第二福喜丸が釣り上げたのは、なんと1.3キロの特大サイズ。ウロコも剥がれておらず、傷ひとつない正真正銘の美宝でした。「漁師の方々が人生をかけて釣り上げた美宝の価値を余すことなく伝えられるよう、心を込めて調理するのが私たち料理人の責務です」と山貝さん。

能登新では、仕入れた美宝をすぐに調理せず、10〜20日ほどじっくりと氷温熟成を施します。こうすることで、のどぐろ特有の上質な脂が身全体になじみ、食べた瞬間に口いっぱいに広がる極上のうまみへと昇華するのです。

美宝を味わいたい場合、通常の会席料理(8,000円〜)に単品料理を追加注文することも可能ですが、特別な日には山貝さんが目の前で調理して提供する、1日1組限定のコース『シェフズテーブル』(22,000円〜)がおすすめです。
要望を伝えて、美宝料理、フグ料理、カニ料理、スッポン料理など、コース内容を事前に相談して決めることができます。

『シェフズテーブル』で美宝を食す際、その締めくくりとして登場するのが、カマ付きで香ばしく焼いた美宝の炊き込みご飯です。地元が誇る岩船産コシヒカリを、美宝の頭や骨から抽出した上質なダシで炊き上げ、千切りにしたショウガをアクセントに添えています。
250年の歴史が紡ぐ空間と、熱き料理人と漁師の情熱が生み出す美宝の感動を、ぜひ堪能してみてください。
【山貝誠さん・社長兼料理人】

250年以上の歴史を誇る料亭 能登新の11代目。社長兼料理人として老舗の看板を背負う。ミシュランで星を獲得したことでも知られる東京の名店、玄治店 濱田家で8年修業した後に家業を継ぐ。

